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ガス中毒・酸欠になったとき



ここがポイント!

一刻を争うが、救助者が巻き込まれることも。
危険な場合は専門家に救助を委ねる。


症状と病態 


 ガス中毒や酸欠は特殊な事故ではなく、原因となるものは身近なところに多数存在します。


 ガス中毒には、ガス漏れによる中毒の他に、暖房器具や自動車の排気ガスによる一酸化炭素中毒、漂白剤やカビ取り剤などの塩素系薬剤と酸素系の洗剤が混ざって発生する塩素ガス中毒などがあります。


 ガスの種類によって症状は異なりますが、一酸化炭素中毒ならば、初期段階では気分が悪い、頭痛、あくび、めまいなどが見られ、症状が進むと失神します。


 塩素ガスは毒性が強く、目・鼻・喉が焼けるように痛んで咳き込み、呼吸困難に陥ります。ガス中毒は本人が気付きにくく、意識がなくなる前に身体の自由がきかなくなっているということがよく起こります。死亡事故が多いのはそのためです。


 酸欠は、狭い部屋にたくさんの人がいたり、閉め切った部屋で火を使ったりする時によく起こります。空気中には約21%の酸素が含まれますが、16%以下になると頭痛が、10%以下では意識障害が起こり、6%以下で死に至ると言われます。


 社会問題にもなった100円ライターのガス吸引による死亡事故は、ガスそのものには毒性はなく、酸欠による窒息死です。





応急処置の流れ 


密閉空間での中毒者を救助する場合は、二次災害を防ぐために救助者は呼吸を止め、窓を大きく開けて換気をしてから、患者を新鮮な空気の場所へ移動させます。


毒性の強いガスによる場合、救助者が巻き込まれて死亡する事故も起きていますので、状況を見て専門家に救助を任せます。




<意識がある場合>
 衣服を緩め、吐き気があるようなら顔を横向けにして寝かせ、毛布などに包んで、保温する。




<意識がない場合>
呼吸・脈拍を確認して、停止している場合は適切に心肺蘇生術を施す。(「水に溺れたとき」を参照)




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